近代建築再生スクール「旧田内織布」

「近代建築再生スクール」は、地域に眠っている社会資源の活用を目指して、地域の方々と一緒に再生を試みるプロジェクトとして立ち上げました。
『僕らのまちは僕らの手で』を合言葉に、まちの魅力を再発見し、エリアマネージメントも含めた地域の魅力向上を図りながら進めるプロジェクトです。
既に訪れている人口減少社会や空き家問題に対し、全国各地で様々な試みがされていますが、一宮市起地区のように中心市街地から外れ、電車でも行くことができない地域では、より自立した活動が必要になると考えられます。
起地区には旧起宿のまち並みと、明治から昭和にかけての繊維産業の隆盛を感じさせてくれる建物も多く残り、近隣には尾西歴史民族資料館(旧林家住宅)や三岸節子記念美術館、墨会館(現小信中島公民館)などの文化施設も点在し、多くの社会資源が残っている地域でもあります。昨今、趣のある古い建物は取壊しの危機に瀕しており、社会資源を活かさない画一的な開発が見られるようになってきましたが、まちの歴史から切り離した開発をするよりも、まちの歴史やコミュニティを活かす事で地域の独自性を確保でき、エリアの魅力が向上する事で利便性の向上と時代の変化を緩やかに進めることができます。また、リノベーションの手法を用いる事で、受け継いできた財産を次の世代へ渡す事も可能です。
このプロジェクトは、文化遺産の保存活用や空き家対策の側面だけでなく、『相続(INHERITANCE)』の視点でも活動を行います。小規模の近代建築が密集している起地区では、個人所有の近代建築が多く存在しており、これらの建物は代替わりや死別などにより所有権が突然発生してしまったため、管理されずに放置されたり、倉庫として利用している場合も多く、所有しているだけで負担になるケースが存在しています。これらの問題に対して、建物を活用することで管理費用を生み出し、所有者の負担にならない形で継続的な社会資源活用ができるよう実践的に学ぶスクールです。

PLACE|愛知県一宮市
VENUE|旧田内織布
TIME|2017_2018
SPEC|改修、再活用、エリアマネージメント
PART|主催

TEAM|セ・カ・イ(繊維・会館・一宮)建築チーム
CONSTRUCTOR|
セルフリノベーション

「まちの活用」|大前貴裕(miyuki design)
「まちの活用」|大前貴裕(miyuki design)
「不(×)動産的考現学」|春日井未琴(春日井不動産)
「不(×)動産的考現学」|春日井未琴(春日井不動産)
「所有と利用の税金学」|三嶋啓一郎(三嶋公認会計士事務所)
「まちマネージメント」|浅野翔(デザインリサーチャー)
「おこしの暮らし」|伊藤正樹(中外国島株式会社 相談役)
「おこしの暮らし」|伊藤正樹(中外国島株式会社 相談役)
「創業資金について」|須江慎二(日本政策金融公庫 一宮支店)
「利益を出すためには」鳥巣智嗣(鳥巣経営研究所)